はてな広報ブログ

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「はてなサマーインターン2009」人事担当者のインサイドストーリー&エンジニア採用ここだけの話

先週末、はてな2年目となるサマーインターンシッププログラムが終了しました。今日から2回連続で「はてなサマーインターン2009」のインサイドストーリーをお届けします。1回目はインターンプログラムの応募者選考や開催準備、運営に携わったはてな人事担当のid:tomomiiがレポートします。

「学生に成功体験を!」強烈なプレッシャーで3度も悪夢を見た準備期間

はてな人事部のid:tomomiiです。2008年5月に入社し、しばらくは総務スタッフとして働いていましたが、昨年開催された第一回目のインターンシップをきっかけに人事業務を本格始動しました。そんなわけで夏のインターンシップには特別な思いがあります。

はてなではインターンシップにとても力を注いでいます。その考え方は、id:naoyaが日経ソフトウエアに寄稿した「はてなインターン日記」で詳しく書いているように、参加した学生さんに「はてなでいままでにない経験をしてもらう」「成功体験を持ち帰ってもらう」という意識をとても大切にしています。

コードを書いてリリースする はてな流成功体験 | 日経 xTECH(クロステック)
学生が作ったもの,はてなが学んだこと | 日経 xTECH(クロステック)

それと共に、インターンシップの開催によって優れた才能を発掘し、はてなの将来を担う人材の採用につなげたい、という人事部としての使命もあり、わたし自身、前述のnaoyaレポートを何回も読んで、自分の中でもモチベーションを高めていました。

おかげで強いプレッシャーのために8月開催までに悪夢を3回みました。参加者の方に連絡ミスをして大失態をしてしまうというもので、ほんと夢でよかったー!と、今でも思います(笑)。

6月から募集開始。北は北海道、西は福岡まで28名が応募。航空宇宙を学ぶ異色の人材も

インターンシップは6月初旬から準備を開始しました。エンジニア部門についてはid:naoyaid:stanakaの執行役員ふたりと、デザイナー部門はチーフデザイナーのid:tikedaもまじえて相談し、応募詳細、人数、開催時期、スケジュール等のアウトラインを確定。その後すぐにtikedaによるデザインでインターン募集ページを開設しました。

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ちなみにエンジニアインターンの応募締切は七夕にしました。どうせならそうしましょう☆とid:naoyaと相談して決めました。応募締め切りまでの数週間、どのくらい学生さんに応募してもらえるか不安と期待でドキドキでした。

エンジニアと比べてまだまだデザイナーに対する訴求力が弱いため、7月はid:tikedaと大阪芸術大学さんを訪問してデザイナーインターン生へのアプローチを試みたり、総務部と連携して事務書類や宿泊施設の手配など、開催に向けて奔走しました。

6月半ばに募集サイトをオープンし、締切りまで実質3週間余りありましたが、応募者の9割近くは締切前日から当日の朝にメールが届く「駆け込み応募」でした。蓋を開けると北海道から福岡まで総勢28名の応募がありました。

応募書類だけでなくブログや活動実績も判断材料に選考。エンジニア7名、デザイナー4名の参加者が決定

エンジニアの選考の場合、応募書類すべてはid:jkondoid:naoyaid:stanakaによって目が通され、かなりの時間をかけて評価会議をおこない参加者を選抜しました。

これはインターンの選抜にとどまらず通常の採用過程にも共通することですが、はてなの人材採用では、これまでの経歴はもとより、カンファレンスでの講演や各種活動など、プライベートでもどれだけ積極的に自分の専門分野に取り組んできたかも判断材料になります。また、ブログを書いている人の場合は、その内容も同じく大切です。

それと共に、「自ら学ぼうという姿勢がある」人や、「はてなに入ってからどうしたいか」「何をやりたいか」という明確なビジョンが伝わってくる人が採用されやすいようです。特に技術者に関しては、普段それこそ山のような応募があり、役員らは毎回真剣に検討し続けています。ネットを通じたその人の活動も見てとれますので、小手先で書いた応募書類だけでは見透かされてしまうようです。

ただし今回は若い学生を対象にしたインターンシップということもあり、情報学を学んでいるような、いわゆるネットに明るい学生だけでなく、「何かやってくれそうな人」への期待度も含めて選考しました。例えば航空宇宙学を選考している学生や、プログラミングを始めて1年ながら、大手ネット企業でいきなりサービスを構築したという異色の学生もいます。最終的にはエンジニアは京都大学、東京大学、筑波大学、電気通信大学の4校から7名が、デザイナーは大阪芸大、京都造形芸術大から4名が選抜されました。

また、別枠ですがはてな初の試みとしてスタンフォード大学からの留学生もインターン生として来日。スタッフ宅にホームステイをしながら参加しました。こうした多彩な顔ぶれが今年のインターン参加者になりました。

なお、遠方からの参加者にははてなでウイークリーマンションを手配し、2人部屋を提供しました。また、報酬として、チームでの開発や新機能リリースに取り組んだ後半の2週間(10営業日分)については、時給1,000円を支給させてもらいました。

ウイークリーマンションとはてなを往復した学生たち。彼らのがんばりは技術評論社が密着レポート

インターンシップが始まって、慣れない環境と生活の中、講義や課題、開発に長期間取り組まれる参加者の方の表情はいつも気にかけていました。体調を崩すことなく元気にインターン期間を過ごしてもらいたいなと思って...。
前半講義期間中にいつもより顔色が白いなーと思ってお話してみたら、「今朝6時半に寝ました。課題の再提出祭りで…」「ええええ大丈夫!?」なんてことがあったり。参加者の方のひたむきな姿勢は見ていれば伝わってきます。自分もできる限りその気持ちに応えたいなという一心で1ヵ月を過ごしました。

人事の仕事としては、他に前半終了後の評価会議(全員パス!)や期間中の面談資料の準備、密着取材に来てくださった技術評論社さんの対応などに関わらせてもらいました。
インターンシップの様子は、技術評論社さんによるレポートがすでに公開されています。

#1 2009年夏。はてなサマーインターンがやってきた:「はてなサマーインターン2009」レポート|gihyo.jp … 技術評論社
#2 はてなでの開発の第一歩とは?……インターン第一週:「はてなサマーインターン2009」レポート|gihyo.jp … 技術評論社

スタッフにとっても学び多かった1ヶ月。間もなく公開の「インターンレポート2009」にご期待ください

インターンシップは、参加者には「はてなだからこそ体感できる成功体験」と4週間にわたる濃い「時間と空間」を過ごしてもらえると同時に、スタッフにとっても大変学び多いものだと思います。
人事として開催まで多くのスタッフに理解と協力をあおぎながら準備を進めましたが、普段これだけ多くのスタッフと連携して長期間の取り組みを進めたり「チーム」を感じることが少ないので、全期間を通して多くを反省し、学ばせてもらいました。
そしてかけがえのない、参加者との出会い...。
例えば、デザイナーインターン生の課題では、私の発注ではてなのポータルサイトに掲載する「インターンレポート2009」の制作に取り組んでもらったのですが、担当学生さんから「クライアントであるtomomiiに喜んでもらえてうれしい」という言葉をもらいました。その気持ちが本当にうれしくて、感極まりました(写真はデザイナーインターンの4名です)。
ユーザー視点に立って開発に取り組む姿勢はエンジニア参加者の開発でも同様で、わたしは技術者ではないし開発内容にはさっぱり疎いのですが、開発に取り組む姿勢や温度を感じる度に背筋の伸びる思いでした。本当に大きな刺激をもらいました。

参加した学生たちはインターンシップが終わってまたもとの生活に戻りました。しかし、インターンシップを通して出会い、あの空間を共にすることで得たものは計り知れないと思います。みんな自分の道を立ち止まることなく懸命に歩き続けてきたから、はてなで出会い学ぶことができました。私自身、インターンシップに関わることができたことを、参加者やスタッフに感謝しています。
と、ここまでは感傷的な私ですが、人事スタッフとしては、インターンシップは終わったけれど、この出会いが始まりでもあると思っています。
去年はインターンシップ参加者から多くの人材がはてなでアルバイトをし、正社員として入ってくれた人もいます。

今年の参加者についてはまだ未定ですが、ぜひ今回の縁をお互いに大事にしていきたいと願っています。また、来年も開催しますので、興味のある方はぜひ来年の募集を楽しみにお待ちください。

近いうちに「インターンレポート2009」をアップする予定ですので見てくださいね。私もインターンシップを通じて得られたものを糧にしてまた今日から進んでいきたいなと思います。


(はてな人事部・平村友美 id:tomomii / 取材のお問い合わせは hatenapr@hatena.ne.jp まで)