はてな広報ブログ

株式会社はてなの広報ブログです。ウェブサイト「はてな」の話題やイベント情報、サービス開発の裏話など多彩な情報をお伝えします。

はてなCTO伊藤直也、「第1回ウェブ学会シンポジウム(12月7日/東大安田講堂)で講演


12月7日、東大安田講堂にて第1回ウェブ学会シンポジウムが開催されます。はてなからは、CTOの伊藤直也(id:naoya)がセッションに参加します。

ウェブの社会的影響力は、この15年で圧倒的な存在感を増しています。しかもその傾向はますます強まるばかりです。ウェブの世界に国境はありません。しかし、国内からは、世界に影響を与えるような、革新的なウェブの学術研究やビジネスが生まれていないのも事実です。

ウェブは、技術、学術、ビジネス、制度、文化が一体となって進化します。「世界に影響を与えるウェブ研究を行う」にはどうすればよいか、「世界に影響を与えるビジネスを生み出す」にはどうすればよいかを、研究者、エンジニアをはじめ、経営者、投資家、法律家、行政・政策担当者など、さまざまな人が「高いレベルで」交流することが重要だと考えます。本シンポジウムは、学術に軸足をおいた相互交流の機会を提供し、世界に影響を与えるウェブ研究・ウェブビジネスを継続的に生み出す場となることを目的とします。
第1回ウェブ学会シンポジウム開催のお知らせ/ごあいさつ より

当日は、「ウェブとコラボレーション」「ウェブと政治」「ウェブと科学」という3つのテーマでセッションが繰り広げられる予定です。政治家、研究者、批評家、ジャーナリスト、ネット業界など各方面の第一線で活躍する人達がセッションに参加し、アカデミックな視点からウェブについて議論する場になるようです(登壇者リストはこちら)。
id:naoyaは、3番目のセッション「ウェブと科学」にて「コンシューマ向けウェブサービス企業におけるサイエンスへの取り組み」について話します。ブログサービス「はてなダイアリー」やソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」などの大規模ウェブサービス開発をCTOの立場で牽引するなか、計算機科学をどのように機能開発に取り入れ応用しているか、その取り組みについて話す予定です。
残念ながら参加申込は満席になり既に閉め切られたようですが、参加される方はぜひid:naoyaのセッションをご覧ください。また、参加されない方も、おそらくメディア各社より開催後のニュースが出ることと思いますので楽しみになさってください。
http://web-gakkai.org/index.html

『SEが28歳までに身につける28の力【第二版】』が刊行されました


はてなCTOの伊藤直也(id:naoya)が著者のひとりに名を連ねる SEが28歳までに身につける28の力 【第二版】 (技評SE選書) が刊行されました。
第二版とあるように、もともとは『SEライフ』というムック本のシリーズ一作目だったものが、5年に渡ってロングセラーとなったために新装版へとスタイルを変えて再登場したものです。

そろそろ若手ではなく、中堅としての活躍・貢献が期待される28歳。この年齢をいかに迎えるかが、その後のSE人生を大きく左右します。本書では、現場の第一線で活躍する執筆者たちが、28歳までにぜひ身につけておきたい力を28に分類して紹介。聞く力、10分の力、創り上げる力、納得させる力、考える力、覚える力、自己分析の力、ライセンスの力…。日々の仕事やこれからの人生の大きな力となるはずです。
(書籍の内容紹介より)

紹介文にもあるように、SEが現場で仕事をするうえで必要な28の「力」について書かれた説得力のあるコラムが集まっています。id:naoyaは「Chapter4.勉強力」の「考える力」と「覚える力」を執筆しています。
SE向けの書籍といっても、ビジネスシーンですぐにでも心がけたいエッセンスばかりで非常に実践的かつ普遍的な内容です。だからこそロングセラーになったのでしょう。また、28歳よりも若い新人が読めば、より高みを目指すためのアドバイス集になり、ベテランビジネスマンが読めば、後輩指導のための参考にしたり自らが初心に戻るための良い機会になりそうです。

SEが28歳までに身につける28の力 【第二版】 (技評SE選書)

SEが28歳までに身につける28の力 【第二版】 (技評SE選書)

  • 作者: 中尾真二,今井孝,石川説明堂,伊藤直也,山内美香,南方司
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2009/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 6人 クリック: 302回
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(近藤令子 id:reikon / 取材のお問い合わせは hatenapr@hatena.ne.jp まで)

立命館大学情報理工学部企業連携講座 講義レポート「インターネットの今とその技術」(はてなCTO/伊藤直也 id:naoya)

10月8日(金)、弊社CTOの伊藤直也(id:naoya)が同大学情報理工学部生を対象とした「企業連携講座」の講師を担当しました。今回の広報ブログでは「インターネットの今とその技術」と題しておこなわれた90分にわたる講義内容とその風景を、同行しました人事担当のid:tomomiiよりご紹介します。

講義前の一コマ

京都本社から小一時間ほどかけて滋賀県は草津市にある立命館大学に向かいました。 
広大で緑豊かなBKCキャンパス・クリエーションコアに到着。このようなのびのびした環境の中で学業研究に没頭できる学生皆さんは幸せですね。
本講座担当教員 情報理工学部情報システム学科教授 國枝義敏先生へのご挨拶を終えた後、講義室に入りました。
2回生を主対象とした受講登録者数70名弱の講座とお伺いしましたが、一見したところそれ以上の学生さんにお越しいただいたのではないでしょうか。学科内では「この時間はid:naoyaの講義を聴きにいきましょう」というゼミがあったり、3回生の学生さんで「この講座は受講していないが前からはてなに興味があって聴きにきました」という方もいらっしゃいました。
ちなみに余談ですが、id:naoyaは今まで多数の講演経験のおかげか、大人数を前にしてもまったく緊張しないそうです。
さあ、講義開始です。

「インターネットの今とその技術」

「皆さんは数学好きですか?僕は学生時代本当に苦手で。でも最近になって結構数学には親しんでいるんですよ」そんなエピソードを交えながら、以下の流れで科学や数学を学ぶことの重要性について語られました。

  • はてなの紹介
    • はてなのサービスやコンセプト、オフィス環境、勉強会風景や本棚等を写真やスクリーンショットをお見せしながら紹介しました
  • 成功したインターネットサービス
    • 今世界で成功しているインターネットサービス企業の事例紹介とそれぞれの技術について。成功しているどの会社もソフトウェアで世界を変えており、大規模ウェブアプリケーションを運用するための技術を重要視している企業ばかりです

  • はてなの裏側
    • 大規模ウェブアプリケ—ションを運用するためのデータセンターやサーバ周りについて紹介。普段学生皆さんの目に触れることが少ないワンシーンをお見せしました
  • インターネットとチープ革命
    • 「大規模なウェブアプリケーションを作るのって難しそう…いや、そんなことないよ!」インターネットサービスをはじめるだけなら簡単なのですよ、というリアルな現状をムーアの法則に添ってお話しました
    • ウェブのサービス運営は「ソフト」「ハード」「人=知識・技術」の3本軸で構成。ソフトウェアは無料/ハードウェアも安価。これからは技術と科学が革新性をもたらします

  • 計算機科学とインターネットサービス
    • GoogleやAmazonのサービスが扱っているような大規模データ処理や私たちが便利に利用している検索技術などを作るためには科学や数学の知識が欠かせません
    • 検索エンジンの表示順位の決定則、お薦め商品の計算方法、スパムフィルタのアルゴリズムなどを数式を交えて解説。史上類を見ないインターネット規模のデータ量と応用数学により新しい体験が生まれています
  • 学生のみなさんへのアドバイス

↓画面をご覧ください

学生さんとの質疑応答

講義後、全体質疑応答時間にお受けした質問と回答です。

  • 今インターネットの中心地は東京なのになぜ京都に移転したのですか
    • 確かに今インターネットの中心は東京にあって、はてなも昨年の3月までは東京を拠点にサービス運営をしていました。京都はそこそこ都会でのんびりで、大学も多いし世界進出を果たしている企業もあったりして、流行から少し離れつつ研究や開発を集中しておこなえる土地だというのが大きいですかね。
  • はてなはどうやって収益をあげてるんですか
    • はてなの収益は大きく分けると2つあります。課金と広告です。課金は便利で楽しい機能等を有料でユーザさんに提供してお金をいただくもの。広告ははてなのポータルサイト等でも見てもらえると思いますが、他企業さんの広告を掲載することで利益を得るものです。
  • はてなのサービスを作る際に一番大切にしているポリシーは何ですか
    • 情報や人と繋がることで、生活や人生をより知的で楽しくクリエイティブにしていきたい。例えばダイアリーでしたらキーワードや「含むブログ」のような機能で他のユーザさんと繋がれます。はてなブックマークは情報を介してユーザさんのコメントや関心の高い情報に繋がることができます。はてなのサービスは「知的生産ツール」と呼ばれたりします。
  • はてなと他のインターネット企業との大きな違いは何だと思いますか
    • はてなのサービスは知人とか友人の枠を飛び越えた専門家によるコミュニティが形成されやすいなあと思うことがあります。深い時事ネタや社会情勢に精通したユーザさんなどもどんどん活動してくれていますね。今のはてなのサービスは広く情報を発信できる情報公開型で、そういったスタイルを好む方に適した機能があるのが原因でしょうか。


その他、質疑応答以外の時間にも、プログラミング言語やコーディング、はてなのインターンシップ、はてな(naoya)の業務などに高い関心をいただいた男子学生さんから積極的なご質問やご意見を頂戴しました。
ご清聴くださった皆さま、ありがとうございました!また、國枝義敏先生のご厚意により、講義内容ならびに写真の公開を承諾いただきました。國枝先生のご厚情に深く感謝いたします。


(はてな人事部・平村友美 id:tomomii / 取材のお問い合わせは hatenapr@hatena.ne.jp まで)